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クヌギの樹皮(幹)を覚えよう
クヌギは特徴の多い樹で、雑木林に生える多種多様な樹種のなかでもひときわ力強い存在感を持っています。
特に、濃いこげ茶色で、分厚くゴツゴツと縦に深く割れた樹皮は、慣れれば決して見間違えることはありません。薄暗い林床で幹肌が黒く見える樹はクヌギかヤマザクラが多いことも覚えておくとよいでしょう。
細かな部分は写真をクリックして表示される拡大画像でご確認下さい。
まずはクヌギとコナラの比較をして見ましょう。左がクヌギ、右がコナラです。
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典型的なクヌギの樹皮です。ゴツゴツして縦に深い溝が刻まれています。林の中では幹肌が黒っぽく見えるもの特徴のひとつです。
コナラは個体差が大きく、樹皮が薄く肌が滑らかなものからクヌギに似てゴツゴツとしたもの、幹が大きく割れてはぜるものなどさまざまですが、写真のような樹が一般的です。
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クヌギの樹皮のアップです。左のコナラと見比べると、幹の力強い感じがわかると思います。
一般的なコナラの樹皮です。クヌギに比べると幹の凹凸が少なく、全体的に灰色っぽい印象を受けます。
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クヌギは比較的湿った場所を好むせいか、根元全体を薄くコケに覆われていることが多いのも特徴です。
コナラはクヌギよりは乾燥気味の場所を好むようです。樹全体も乾いた感じで、樹皮がパリパリした印象のものが多いようです。
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湿ってコケが生えた非常に大きなクヌギの根元に他の植物が着生しています。他の樹種ではあまり見かけない光景です。
根元からの伐採により生えた何本ものヒコバエが成長し、扇を開いたようになっています。幹に縦長の模様がクヌギとは異なります。
参考までに、東京周辺の雑木林で見かけることの多い他の樹種についても見ておきましょう。クヌギの特徴が際立つはずです。
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皮の厚いゴツゴツとしたコナラの例。クヌギでは稜線が尖っているのに対して比較的平らである点と、灰色がかって白っぽく見える点で区別がつく
クヌギ・コナラについで見かけることの多いイヌシデ。場所によっては大半がシデの仲間(ソロ)と云うこともある。表面が滑らかで、白い縦の樹皮模様が目に付く。
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これも良く見かけるヤマザクラ。点々とした皮目が横に入っているので見分けは容易いが、薄暗い林床ではクヌギ同様に黒っぽく見えるので、遠くからみると間違えやすい。
これはケヤキ。大木になると樹皮が不定形に薄くはがれ落ち、虫食いのような赤っぽい模様が目立つ。
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エゴノキは、灰色で滑らかな幹を持つ何の変哲もない樹だが、5月中旬に黄色のシベを持つ純白の花を一面に付ける。うつむき加減に咲く花の可憐さ・美しさは、雑木林随一だろう。
これは常緑樹のシラカシ。雑木林のほか神社の境内などにも多い。関東地方の林は、人が手入れをしなければ全てシラカシなど常緑広葉樹を中心としたものに移り変わってゆく。
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シラカシ同様に関東地方の本来の植生を担うスダジイ(常緑広葉樹)。見上げるような大木が多く、神々しい迫力に満ちている。幹肌は縦に深く裂け、うねるような樹形は一見するとクヌギにも似るが、葉を見れば一目瞭然、見間違うことはない。
これはキリ(桐)。昔の農家では娘が生まれるとこの樹を植え、嫁ぐ時にタンスなどに加工して花嫁道具としたと云う。雑木林の中ではなく、周辺の畑の脇などに見かける。とても大きく成長し、薄紫色の大振りな花を咲かせる5月上旬には、良く目立つ。
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林縁の明るい場所によく見られるアカメガシワ。非常に深いウロを持ち、樹液も良くだすらしい。クヌギ・コナラに次ぐ第3の採集樹として、個人的に一番注目している樹種のひとつだ。(右の写真も同じ)
よく「マスクメロンのような」と表現される網目模様の樹皮が良く目立つ。典型的なパイオニアツリー(日当たりの良い荒地に真っ先に育つ陽樹)で、放棄された畑のなどでよく見かける。
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それほど多いわけではないが、ハリギリの樹皮はクヌギにとてもよく似ている。名前の通り樹皮にトゲがあるので不用意に手を触れないように注意が必要。
ハリギリのトゲは細い枝ほど多くて先が鋭いが、よく見ると太い幹にも大きなトゲがある。新芽はタラの芽同様に天ぷらにすると美味しいらしい。
どうですか?クヌギの特徴の一端がおわかりいただけたでしょうか?あとはいかにたくさんのクヌギを見るかにかかっています。次の章では徹底してクヌギをご覧頂きましょう。

 

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