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国産カブトムシ 人工蛹室の作り方

国産カブトムシの人工蛹室は、紙コップやトイレットペーパーの芯をそのまま使う簡便な方法が紹介されていて、それなりに安全が確認されているようだが、私はいくつかの理由により用いたことがない。

(1) 紙コップは、内径が広すぎる。
以前一度だけ、人工的に作った蛹室の幅が幼虫に対して広すぎたことがあった。この時幼虫は倒れこみ、角で体重を支えるような体勢で蛹化してしまった。結果、角が90度近く曲がったオスが羽化してくることになった。これを踏まえ、人工蛹室の内径は30〜35mm、大きくても40mmを超えるべきでないと考えるため。
(2) 羽化時に足掛かりとなるような凹凸が内側にない。
前章で羽化のシーンを観察したが、彼らは羽化の際に体を宙吊りにして後翅を伸ばし乾燥させようとする。羽化直後は符節は働かず先端の爪は利用できないことから、内壁がツルツルでは後翅の伸張に支障がおきかねないと考えるため。
(3) 安定度が低く、倒れやすい。
羽化時に彼らは相当暴れる、、、というかもがく。軽くて安定性のない紙製品では何らかの固定が必要になるため。
(4) どうせ観察するなら、見栄えが良い方が気持ちいいため。
なるべく自然に似た状態において観察する方が何となく満足感がある。また側面からアップで観察できるなど利便性が高い。またフタをすれば積み重ねられる、知人に配布しやすいなど、合理的だから。

もし紙コップやペットボトルミニなどを用いる場合には、内側にキッチンペーパーをゴワゴワにして詰めるなどして内径を調節し、同時に羽化時の足掛かりとなるよう工夫することを、是非お勧めしたいと思う。
さて、それでは私がどんな手順で観察用人工蛹室を作っているかを以下にご紹介しましょう。

注意!

ここでご紹介する人工蛹室は、蛹化羽化時の事故に万全であるわけではありません。蛹化時・羽化時に事故を起こして無残な姿で命を落すこともあり得ますから、その点を十分ご理解の上ご利用下さい。
ただし止むを得ない状況、例えば不用意に蛹室を壊してしまった場合や気が付くとマット上で蛹になっていた場合などには次善の策として有用であると考えています。
過去3年間で150頭以上に用いて各所に配布していますが、事故の報告は件のツノ曲がりを含めて3例のみであったことを申し添えておきます。

           

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1.用意するのはコーヒーなどの空き瓶に、ラップの芯とラップ。(トイレットペーパーの芯は弱いためあまり適していない。後述の 6. で、周囲に土を詰め込む際に凹んでしまう)
2.適当な棒などで、瓶の底3cm程に用土を固めに詰める。用土は押し固めたときに容易に崩れないものであれば特にこだわらない。要は「だんご割り」で簡単に負けないようなもの。
           
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3.ただし、真新しい「昆虫マット」や「腐葉土」は乾燥すると崩れやすいためダメ。これから先は一切エサは食べないので、エサ兼用の意味はない。幼虫が食い散らして土のようになった使用済みの用土や、無肥料の花壇用黒土などが良い。
4.ラップの芯の回りに土を詰め込むが、後で引き抜きやすいように芯をラップで包んでおく。これをしないと後で面倒なので忘れないようにしよう。芯はなるべくガラス面に接するようにする。
           
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5.こんな感じで土をどんどん詰めて行く。
6.割り箸などで隙間まで強く押し固める。芯とガラスの間に多少土が回ってしまっても、後から修正するので気にしなくて良い。
           
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7.しっかりと土を固めたら、なるべく上部を平らにならす。(後から修正できるので、あまりこだわらなくても良い)
8.そっとラップの芯だけを引き抜く。巻いたラップごと抜くとせっかく固めた蛹室が崩れてしまうので注意しよう。
          
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9.その後、ラップをゆっくりと抜いてみると⇒
10.こんな感じに仕上がっているはずだ。
         
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11.その後、ティッシュを巻いた割り箸や指などで穴を押し広げるようにして更に土を固く締める。ついでにガラス面の窓も広げておこう。
12.仕上げに汚れたガラス面を、内・外両面とも綺麗にする。これを怠ると観察しにくくなるので丹念に拭っておこう。
         
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13.こんな形に仕上がれば合格点
14.この中でどんなシーンが演じられるのか、とても楽しみだ。。。
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