2005/6/28(火)  晴れ

ここのところ、全国的に記録的な暑さが続いている。今日も日中の最高気温は35℃を超えたと云う。梅雨を通り越して夏真っ盛りといった様相だ。それにしても今年は雨が少ない。カラ梅雨というだけでなく、それに先立つ5月の少雨の影響が大きいらしく農作物への被害がかなり出ているようだ。特に西日本の一部では既に給水制限が始まっている。
これらが、温暖化など地球規模の環境破壊によるものか否かの知見は持たないが、何かがおかしいと云うことは誰もが感じていることだろう。

とは云え、蒸し暑い夜に考えるのは結局カブクワのことばかり。地球環境の悪化を懸念しつつも、熱帯夜にはジッとしていられないのが我々の本性だろう(^^ゞ 

今夜は暑い夜になりそうだ。。。
と云うことで、今日は久しぶりに埼玉のポイントへ。色々と理屈をつけて千葉を楽しんではいるが、やはりこの時期にまだコクワしか見ていないのでは採集者失格だ。とにかく、彼らが樹液につく姿を見ないではいられない。会社を出るまでは千葉のポイントに向かうつもりでいたが、地下鉄の中で予定変更。今夜はカブト・ノコ・ヒラタを見に、埼玉へ行こう!

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埼玉ポイント

ここ数年通っているポイント。毎年今頃になれば行くたびにカブト・ノコ、うまくすればヒラタを見ることができる。確実に彼らを見るにはここが一番手っ取り早い、いわば保険のような場所だ。今夜は(遠征先の京都を除く)遅まきながらの初カブト・ノコを確実に見ることが出来るに違いない。。。

ところが昨年の10月初旬以来久しぶりに向かったそこは、様相が一変、一部は開発の手に晒されていた。ヒラタポイントの一つは、周囲を新しい柵に覆われ、林の面積も半分以下になったようだ。とにかく、柵を越えて樹を探そう!
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幸い目的の樹は、ギリギリのところで残されていた。計画があと2m先まであったなら、確実に切り倒されていたに違いない。とは云え、結局はこの樹ももうこの夏限りだろう。
今日見つけた50mmと41.5mmのヒラタは、一時捕獲し、すぐ向かい側の林に移動させることにした。
それにしてもわずかの間に随分と整備されたものだ。それにともなって、多くの家族連れが訪れるようになったのだろう。元々採集圧の高い場所ではあったが、今年この場所でカブクワをゲットするためには、樹液の出ている樹を知っているだけではなく、運やタイミングも必要になってくるだろう。
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人通り多い場所付近の樹液クヌギでは、コクワ一匹確認できない(^_^;) おそらく先行者が全て連れて帰ったものと思われる。さっきの親子連れかな?採集は楽しめたかな?
4年前、はじめてここに来たときは、道からほんの数メートル入っただけの場所で、行くたびに何頭ものカブトムシを捕まえることができたものだ。昨年あたりから一気に増えた家族連れによる採集圧が、それなりに生息数に影響を与えているのは間違いない。しかし、ここは子連れで採集を楽しむには最適の場所のひとつだ。ルールとマナーを守り、一人でも多くの家族が採集を楽しんで欲しいものだ。
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夜道をしばらく歩き、第2のポイントに移動。先程の場所に比べて湿度が高く、小径(こみち)のそこかしこにキノコが生えている。ヒラタの好む環境と云えるだろう。
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ここはヒラタの♀を期待したポイントだが、ノコのみ。少々時期が遅かったか?
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通りかかれば誰もが気付く樹液クヌギ。目の高さにカブトペア。頭上3mには、10頭近くが群がっていただろうか。
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メクレのないクヌギだが、小さなヒラタがピタリと貼りついていた。他の方のHPでよく見聞きはしていたが、初めて経験した。 黒いビロードの羽が光線の加減でブルーに輝くガ。樹液に群がるガの仲間にはとても美しいものも多いが、種の同定は全くできない
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樹液に集まる獲物を待ち構えるヤブキリやゲジ。彼ら樹液酒場の影の住人たちの生態を眺めることも、たまには興味深いものだ。
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オオナガコメツキやサビキコリと云った、他愛のない虫も多い。一見、害のなさそうに見えるこれらコメツキムシの仲間の幼虫が、朽木の中ではクワガタの幼虫を襲って食べるのだと聞かされると、少々驚かされるだろう。
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メクレを剥がされて1年。すっかり樹液は枯れ果ててしまったクヌギの様子。 左の樹の、昨年6月の様子。1cm程のほんの小さなメクレから樹液が滴っていた。
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そのころは、コクワの安住の場所だったが、この直後に剥がされていた。コクワ欲しさにそんなことをする必要など全くない! 同じ樹の昨年8月の様子。このまま樹液は枯れ、左上のような状態になってしまった。。。
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人目につく場所では、こんな無残な姿のクヌギが多い。子供の手の届く高さでないことから、親が剥がしたと思われるものも多い。こんな人には子供のためだとか昆虫採集が好きだなんていって欲しくない。自分が、人品の卑しさやケチ臭さに気付かぬ恥知らずな者だと云うことを、自覚しろと云いたい。
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ヨツボシケシキスイも、よく見ればなかなか格好の良い昆虫だ(^_^;) 彼らの全長が50mmくらいで、生息数が今の1000分の1くらいだったなら。。。と、愚にもつかぬ「タラレバ」を考えてみる(^^ゞ そしてこちらも蔑ろにされがちなコクワ君。
でも、こんな風な姿を見ると。。。(*^_^*)
今日は久しぶりにカブクワを満喫した。カブト・ヒラタ・ノコ・コ、気が付くと写真をほとんど撮っていなかったが、まずまず満足のいく一夜だった。市街地にも比較的近い有名なスポットで、自治体による有効利用?の波にもさらされているだけに、少しの留守の間に大きく様相が変わってはいたが、ほんの少し足を伸ばせばまだまだ有望な樹は健在だ。
いつまでもカブクワたちに出会うことが出来るよう、誰もがみな、ルールを覚えて採集を楽しんで欲しいものだ。

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